
私はよく、映画化される本を紹介します。映画化しない良い本もたくさんあるのですが、映画になる本というのは、内容が大衆的で多くの人にとっつきやすいと思うからです。わざわざ映画にするくらいだから、小説のあらすじも、おおきくハズレということは少なかろう…という読みもあります。「確かにこれは、映画にするほどよい本だもんな」とカウンターでひとり、納得していることもよくあります。映画化は、原作のおもしろさを量るバロメーターみたい。(もちろん、例外もありますが)
内容とは別に「好きな俳優が出ているから」「主題歌が好きなミュージシャンのものだから」という理由で映画に興味を持つ人もいると思います。映画は総合芸術なので、そういったところもとても大事になってきます。○○くんが出てる映画だからとか、××が曲やってるからと映画を見ておもしろかったら、気が向いた時は原作にも目を向けてほしい。
○○くんのあの表情にはこんな心理描写があったのか!とか、こういう話だから××の音が欲しかったんだ!とか、おそらく映画の上映時間内には気付かなかったような発見があると思いますよ。
『神様のカルテ』夏川草介作 長野県松本市の現役のお医者さんが書いた作品。今年の本屋大賞2位になりました。嵐の桜井翔さん、宮崎あおいさんが主演で来年映画公開するそうです。しかもプロデュースは「世界の中心で、愛を叫ぶ」「いま、会いにゆきます」の製作チーム!ロードショーを待つ間に本を読むのも手ですね〜
『カラフル』森絵都作 この原作、何度読んでもすごいなぁと思うのですが、この夏にアニメ化されるそうです。しかも監督は「クレヨンしんちゃんオトナ帝国の逆襲」の原恵一監督です。映画館に子どもを連れていったパパママが号泣!という作品づくりで有名な人です。私も今から楽しみです。
どちらも図書室にある本なので、ぜひ読んでみてください。
追伸:今ちょうど上映されている大阪が舞台の『ボックス!』百田尚樹原作 市原隼人がボクシング部の高校生を演じています。図書室に毎月送られてくるフリーペーパー『ch』の表紙にもなっています。高3-5水野先生の学級文庫で購入しているのですが「図書室にどうぞ」と言って貸して下さいました。興味のある人はカウンンターまで。
カウンター越しに、生徒と本の話で盛り上がることがあります。そこで、試しにおすすめの本の紹介を文章で書いてよ〜と言うと、決まって「文章苦手やし無理、無理!」「うーん、読むのはいいけど書くのはちょっと…」という返事が返ってきます。時間がないからという理由も大きいのでしょうが、もったいないな、と少し残念です。
読書感想文に限らずですが、感じたことを定着させるには、文章にしてみるのがとても有効です。書く事で、自分がどう感じたのか整理し、筋を立てて客観的に見ることができるようになる。そこまで到達できなくても、どの辺りが気に入ったか、逆にひっかかったかを再認識できる。内容を反芻し自分の考えと照らし合わせ、やがて考えた事を含めて自分の意見へと昇華させていく(…のだと思うのですが、どうでしょうか)
今回は、私がはじめて書くことの大切さを意識した時のミーハーな話。
高校生のころ、とある雑誌でミュージシャンのYUKI(当時はJUDY AND MARYのボーカリスト)が、悩みがあったらノートにつらつらと書き付ける、とコメントしていました。あーでもないこーでもない、と書くことによって少しずつ、自分の中の、もやもやの核心がみつかるのだと。
17歳の私は、なるほど!と思いました。それまではいつだって、なんだって、友だちに聞いてもらうことで気を紛らわしていたのですが、YUKIを見習ってときどき日記をつけるようになりました。
そして「これって、ひとりでボールを壁に打つテニスの練習みたい」と思いました。(実際にやったことはないのですが)ノートは自分の考え方のクセを教えてくれる、壁みたいでした。凹むポイント、それを引きずっているときの口癖、回復する時のきっかけ、タイミングなど自分の思考パターンが見えてきたのです。
最近、女子中高生の間では、「自分磨きノート」が流行っているそうですね。雑誌を切り貼りして、欲しい服やメイクの方法、ダイエット日記をつけると聞きました。いいな、と思ったのは、感動した言葉や嬉しかったことなども書き留めている点。
自分の外見を点検するだけでなく、内面についても磨いていくためのノートなんだそうです。
読んだ本のなかのお気に入りのセリフなんかを「自分磨きノート」に書いてくれる人がいるといいな、と思います。中学生のみなさんは、「家庭学習ノート」「シャトルノート」に朝の読書の感想を時々書いてくれてもいいなあ、と思います。
*図書室にある関連本*
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』山田ズーニー
『ひらがな思考術』関沢英彦
18日の昼休み、図書委員の生徒に集まってもらって委員のお仕事の話をしました。貴重な昼休みが委員会で潰れてしまうのは心苦しいので、せめて話はなるべくおもしろくしよう…と私なりに工夫を凝らして準備したのが「大人ごっこ」です。
図書委員会で身に着ける作業、貸出返却や本の整理はどこの図書館でも実際行われている必須業務です。だから考えようによって図書委員は、図書館の職場体験をしているのと同じなのでは?という点に着目しました。
となると、最初に理解してほしいのは、その職場ならではの心意気です。図書室で最も大事に扱うべきもののひとつに本の読書履歴という個人情報があります。どの図書館でも、誰が何を読んでいるかというプライバシーを守ることに細心の注意を払います。
これを大人ごっこ①として「この会話はアウト?セーフ?個人情報○×クイズ」という遊びにしました。高校生や、図書委員2年目の生徒の正解率は高かったですが、中学1年生は頭をひねりながら解いてくれているのが微笑ましかったです。
大人ごっこ②は「図書カードを名刺に見立てて交換してみよう」です。図書カードは大切に扱うものだ、というメッセージと、あなたの名前の入っているものを大事に扱うのは「あなたを大事に思っていますよ」というメッセージを相手に伝えるためだという説明をしました。名刺を丁寧に扱う意味も同じようなものだから、これで皆が大人になっても慌てずに済むね、と言いながら、お向かいの図書委員に両手で相手向けに図書カードを渡す練習をしました。
中学生が挑戦する体験学習も、大学生が企業に研修にでかけるインターンも、「大人」の実務を体験することで、自分の適性把握の参考にしたり、仕事をこなす自信をつけたりします。20歳になったら「成人」として法的に扱われるけれど、「大人」って、段階的になるものだと思います。だから、今日の図書委員では部分的に「大人」の身振りを経験しよう、一人前に振る舞っている自分をカッコいいと褒めてあげよう、ということをやってみたかったのですが…我ながら欲張りでした。
感想を、また聞かせて下さいね。
今日から「あいさつ運動」がはじまりますね。
私が去年初めてここ大阪青凌を訪ねた時も、「こんにちは」と生徒の誰かがあいさつしてくれました。この学校の生徒は面識のない来校者でもちゃんとあいさつしてくれるんだな、と嬉しく思ったことを覚えています。
あいさつの良い点はたくさんありますが、その中で特に私がいいなあと思うのは「そこに誰かいること」を認めている所です。声をかけなくてもいい距離で、あいさつをしてもらえるのは、なんというかとても肯定的なことに思います。あなたがそこにいること、ちゃんと伝わってますよという存在の肯定が、きっと嬉しいんだと思います。
図書室に入ってくる時や出て行く時、司書も図書室スタッフのおふたりも
「こんにちは」「いらっしゃい」「さようなら」とあいさつをします。
その声かけに応じてくれるとやっぱり嬉しいものです。
こちらが言う前に、自分から「失礼します」といって入室する生徒もいます。
礼儀正しいな、という印象を受けるものです。
というわけで、図書室に置いてある本の中から、あいさつにまつわるものをいくつかピックアップしました。
『12歳からのマナー集』多湖輝
『13歳からのシンプルな生き方哲学』船井幸雄
『大人になる前に身につけてほしいこと』坂東眞理子
この3冊は去年の「青凌生のための読書案内」で紹介されていたものです。
あいさつ以外にも、いろんなマナーが詰まった本です。
『「愛されキャラ」になる心理術』伊東明
タイトルだけ見ると雑誌の広告みたいですが、なかなか内容のしっかりしたイラスト満載の良い本です。
ゴールデンウィークは、いかがお過ごしでしたか?
試合あり、部活あり、宿題ありで忙しく過ごす生徒も多かったのかなと思います。読書がはかどった〜なんていう人も、中にはいるかもしれませんね。
かくいう私は、丸4日かけて島根と鳥取を旅行してきました。
石見銀山、出雲大社、三徳山投入堂の他にも水木しげる記念館のある境港や鳥取砂丘、明治の名建造物余部鉄橋など見所満載の旅でしたが、実は、ここ大阪青凌の司書としても嬉しい出会いがあったので、みなさんにご紹介したいと思います。
かねてから行きたかった出西窯(しゅっせいがま)。島根県の斐川町という場所にある、陶器の窯場です。陶芸を志す5人が初窯を出すのは戦後3年の1948年。民芸運動を始めた柳宗悦に共鳴し、同郷の陶芸家、河井寛次郎の助言を受け、今も実用の器を作り続けています。柳宗悦の息子、柳宗理は戦後の工業デザインで有名ですが、彼のプロデュースする食器を出西窯の若い担い手が作るなど、つながりも次の世代へと引き継がれています。
という訳で、ほれぼれしながら窯に併設された販売スペースを眺めていると、思わぬものを見つけました。イラストレーター大橋歩さんが責任編集されている雑誌「アルネ」の創刊号です。
実は、図書室では校長先生の依頼でこの「アルネ」のバックナンバーを集めていたのですが、大阪の大きな本屋さんを巡ってもどうしても創刊号だけは入手できず、1号だけ足りないままでした。
それが、偶然訪れたこの窯にあったのです。でもどうして?と思って気付きました。創刊号の特集は柳宗理さんでした。
嬉しくて嬉しくて、レジの方に長々話を聞いてもらってしまいました。
ある、と思ってないところで出会うのは、なんだか格別と思いませんか?
さて木曜日に久しぶりに学校に登校(出勤?)すると、たった数日のことなのに図書室にやってくる常連メンバーが懐かしく思われました。「先生、なんだかお久しぶりですねえ」と声をかけられたりもしたので、そう思っているのは私ひとりではないのだな、とまんざらでもない気分でした。
たっぷり休んだあとは、また普段通りのかけがえのない毎日が続きます。
一緒にがんばりましょうね。

