受験生とゲストのみなさまへ

2024年02月17日

高校第39期生卒業式 式辞

 2月も半ばとなり、ようやく日中は春の陽気に包まれるようになりました。明るい日差しは、春の訪れを私たちに感じさせてくれます。

 本日、このように多数のご来賓ならびに保護者のみなさまのご臨席を賜り、大阪青凌高等学校第39回卒業式を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びです。高い席からではございますが、ご列席のみなさまに厚くお礼申しあげます。

 さて、ただ今、卒業証書を授与された39期生のみなさん、卒業おめでとうございます。卒業証書は、みなさんが3年間の学業を修め、高校生活を終えたという大切な証です。今一度、その達成感と喜びを感じてほしいと思います。

 

 ある本に次のような一節がありました。「チャンスは準備ができている人にやってくる」高校卒業時に、みなさんに、ぜひ覚えておいてほしい言葉です。自分はなかなか運に恵まれないなぁと言う人がいます。でも、もしかすると、チャンスは誰にも平等に巡ってきている、のかもわかりません。自分に来たチャンスをつかみ、成功するかどうかは、そのときまでに、その人に準備がどれだけできているのか、にかかっているのだと思います。せっかくチャンスが巡ってきても、準備が不足していれば、そのチャンスを自ら逃してしまいます。

 そして、きっと偶然ではなく、努力して準備ができていればいるほど、チャンスはより巡ってくることになるのだと思います。何の努力も準備もせず、ただ「棚からぼたもち」を待つような運任せでは、チャンスはやってこないでしょう。

 これは、元々1800年代に、近代フランスの細菌学者であるパスツールが言った言葉とされています。原文を英語で表すと、“Chance favors the prepared mind”です。

 このパスツールの言葉は、コミックス「ハイキュー!」にも出てきます。インターハイ予選に負けて引退する、バレー部キャプテンが涙ながらに後輩に残した言葉が「チャンスは準備された心に降り立つ」です。

 

 高校卒業にあたって、みなさんには、これから日々、自分の目標に向かって努力を続ける人になってほしいと思います。無我夢中に取り組んでいるときには、将来の自分にどうつながるのか想像はできないでしょう。でも、準備を続けていれば、必ずどこかで何かのチャンスが巡ってくることを信じてください。そして、みなさんが自力でそのチャンスを生かして、ステップアップすることを願っています。 

 

 保護者のみなさま、お子様の高校ご卒業、誠におめでとうございます。我々教職員一同、心よりお祝い申しあげます。

 生徒たちが精神的に自立していく時期にあたるこの3年間、多くの保護者のみなさまには、お子様が幼いころとはまた違った、ご苦労があったのではないかと思います。1年次には、コロナ対策で、学校において制限のあることも多く、多分にご迷惑をおかけいたしました。この3年間、本校の教育活動に対し、常にあたたかいご支援と、ご理解ご協力をいただきましたこと、あらためて、この場をお借りし、お礼申しあげます。今後とも大阪青凌にご鞭撻を賜りますよう重ねてお願いいたします。

 

 卒業生のみなさん、ふと高校生の日々が懐かしくなったときには、迷わず母校を訪ねてきてください。そこには、あたたかく迎える先生たちの笑顔が、いつでもみなさんを待っています。

 以上、この佳き日、39期生291名の卒業生の前途を祝し、みなさんが健康で豊かな人生を歩まれることを祈念しまして、私の式辞といたします。

    令和6年2月16日 大阪青凌高等学校 校長 向 忠彦