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青雲・凌雲(校長ブログ)

『八月の銀の雪』

2021年03月6日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理系出身の作家が、時にすばらしいミステリーや小説を書かれます。有名な
ところでは、東野圭吾さん。彼は大阪府立大学の工学部出身ですが、もはや
あまり本を読まない人でも、彼の名前は知っているというくらい有名になり
ました。
そして今回、またそんな理系出身の作家に出会ってしまいました。伊与原新
さん、です。書名タイトルの「八月の銀の雪」をはじめ、5編の短編小説が
納められた本書を読んで、久しぶりに小説の醍醐味、そしておもしろさを味
わって感動してしまいました。東野さんとはまた違ったタイプの作品です。

 

少しだけ中身をご紹介しておきますと、
「八月の銀の雪」・・・・主人公は理系の大学院生。就活がうまくいかず苦
戦中。そんな中、コンビニで働く外国人の女性と出会います。日本語もたど
たどしく、仕事も要領を得ない彼女。しかし彼女の在日目的を知って、主人
公は自分の人生を見つめ直すきっかけを得るのです。読み終えて、タイトル
にうならされる秀作。

 

「アルノーと檸檬」・・・・主人公は不動産関係の会社に勤める若い社員。
老朽化したアパートに住む住人の立ち退きを会社から促されています。地上
げして、そこに高層のマンションを建てる目的です。ところが、そのアパー
トの住民のベランダにアルノーという伝書鳩が住みついてしまう。その伝書
鳩を調べるうちに、自分の人生と伝書鳩がオーバーラップし始めます。

 

「十万年の西風」・・・・主人公は長年原発関係で働いてきた会社員。今、
その会社を辞め、単身、福島第一原発へ向かう途中。福島の事故は、自分の
これまでの仕事の意味を考えさせずにはいられなかったのです。福島へ向か
う途中、偶然、浜で凧をあげる人と出会い、予想もしなかった過去の理系研
究者の苦悩を主人公は知ることになります。読み終えて、これもタイトルに
うならされます。

久しぶりに読み終えるのが本当に惜しい本でした。オススメです。
福力

 

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