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青雲・凌雲(校長ブログ)

秋の読書週間②

2020年11月7日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介するのは『サピエンス全史』。4年前に発行された本なのでタイ
トルはご存じの方も多いのではと思います。私も今回読むのは2回目なので
すが、この本は再読の価値のある本だとあらためて思わされました。
しかし1冊が250ページを超える分量で、しかも上下本ということで、この
忙しい現代では敬遠されがちだと思います。が、読むと「目から鱗」体験を
楽しめます。実はこの本の魅力は、訳者あとがきの最初の5行に言い尽くされ
ていますので、そこを引用しますと、

 

「読書の醍醐味の一つは、自分の先入観や固定観念、常識を覆され、視野が
 拡がり、新しい目で物事を眺められるようになること、いわゆる「目から
 鱗が落ちる」体験をすることだろう。読んでいる本が、難しい言葉で書
 かれた抽象論だらけではなく、一般人でも隔たりを感じずにすっと入って
 いける内容が、わかりやすい言葉で綴られているものだと、なおありがた
 い。まさにそのような醍醐味を満喫させてくれるのが本書だ。」
                        (訳者あとがきより)

 

例えば第二章では、サピエンス(人間)が他の種を圧倒して支配的地位につ
いた原因の一つとして「言語」を上げているのですが、その説明がとてもユ
ニークなのです。
それが、「私たちの言語は噂話のために発達した」というものです。言語は
ライオンがどこにいるかという「情報」を伝えることもできるのですが、そ
の有用性よりも「集団の中で、誰が誰を憎んでいるか、誰が誰と寝ている
か、誰が正直か、誰がずるをするかを知ることのほうが、はるかに重要なの
だ」というのです。
他の種、たとえばチンパンジーの集団は、およそ20~50頭から成るのが普通
で、これ以上になると不安定になるらしいのですが、人間の場合は100人を超
えてもその集団を安定的に維持できる。で、それは言語の使用により噂話を
できるからだと言うのです。そしてその集団を維持することで協力共同する
ことができるようになり、今日の人間が他の種に対して支配的地位につくよ
うになったという訳です。
この説明は現代の人間にもあてはまり、「今日でさえ、人類のコミュニケー
ョンの大多数は、電子メール、電話、新聞記事のいずれの形にせよ、噂話
だ。」と著者は言います。私はこのあたりで目から鱗が2~3枚落ちました。
まだ読まれていない方、各章のタイトルをご覧になって興味のあるところだ
け読んでも面白いと思います。秋の夜長におすすめします。
※ちなみに先ほどの噂話による人間の集団の大きさの上限は、おおよそ150
 人だそうです。その理由については、本書42ページをお読みください。
福力

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