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青雲・凌雲(校長ブログ)

第2学期始業式

2021年08月26日

本日、第2学期始業式を行いました。始業式での私の挨拶をアップしておきます。

 

皆さん、おはようございます。今日は2学期始業式。夏休みはどうでしたか?今年も昨
年に引き続き、制約の多い夏休みだったことでしょう。

ご両親の実家が関西から離れた地域であった場合、今年も家族で帰省することは難しか
ったかも知れませんね。

先月末の終業式でGoogleのAIによるコロナウィルスの新規感染者の予測を紹介したのを
覚えているでしょうか。このグラフです。できるなら、感染予防の努力が実って、結果と
してこの予測が外れてほしいと願っていましたが、現在、この予測を大きく上回る数の新
規感染者数が連日報道されています。また皆さんも知っていると思いますが、今回の第5
波では、特に若年層での感染が目立ってきています。学校に登校する前の検温、そしてマ
スクの着用、手洗いをこれまで以上に徹底するよう心掛けてください。

 

 さて、話題を変えます。今週火曜日、24日からパラリンピックがスタートしました。パ
ラリンピックは、もともとParaplegic Olympic 日本語にすると「対まひの」という障がい
の意味をもった形容詞がついているものと理解されていましたが、今はParallel Olympic
つまりもう一つのという意味の形容詞を冠したものとされています。共生社会の価値観が
そこに反映されているのです。

このパラリンピックに先んじて実施された東京2020オリンピックでも、開催の是非はさてお
き、多くの熱戦が繰り広げられました。夏休み中ということもあって、皆さんもテレビやイン
ターネットで試合を観戦していたことと思います。

周知のとおり、東京でオリンピックが開催されるのは、今回が2度目になります。では先のオ
リンピックが開催されたのは、いつか知っていますか? 答えは1964年。つまり今から半世紀
以上前のことになります。
 この時と今年開催されるオリンピックを比べると、その時代背景を含め、さまざまな違いが
あります。このお話は昨年の一月にしているのですが、中学3年生以外の皆さんには初めてだ
と思います。

では、その1つを紹介し、皆さんに質問をしますので、よく聞いてください。今から挙げる種
目について、1964年と東京2020のオリンピックとの大きな違いは何でしょうか?ちょっと考え
てみてください。よろしいですか。

サッカー、レスリング、バスケットボール、柔道、マラソン、ウエイトリフティング。
さあ、わかりますか?ちなみに、これらの種目は1964年でも2020年でも、正式なオリンピック
種目であることに変わりありません。ではその違いとは何でしょうか?わかった人は教室で答え
てみてください。中学3年生の人は、覚えていますでしょうか?

 

さあ答えがわかった人は何人くらいいるでしょうか。
 実は、1964年の大会では、これらの種目は、すべて男子のみで行われたのです。女子につい
て、これらの種目は存在しなかったのです。

ちなみに1964年の大会での男子の種目は全部で126種目。これに対して女子の種目は、たった31
種目しかありませんでした。今では考えられない大きな違いの1つです。

 

しかし、1964年当時、女子がこれらの種目に参加できないということで、大きな反対運動があっ
たとは聞かないですね。もちろん疑問に思った人もいたとは思いますが、一般にこれが常識とと
らえられていたのです。ここからわかることは何でしょう。そうです、私たちは自由にいろんな
ことを考え判断していると思っていても、生まれた時代によって大きな影響を受けているという
ことなのです。

生まれた時代だけではありません。生まれた国、あるいは使っている言語によっても、私たちの
思考は大きな影響を受けています。

 1964年の大会では、敗戦から復興した日本をアピールするのが大きなテーマでした。太平洋戦
争の終結は1945年、それからわずか19年でオリンピック開催につなげたのは、今考えると大きな
驚きですが、さらにこの舞台を日本は復興の大きなアピールの機会として考えました。そしてオ
リンピックに間に合うように、いそいでつくられたのが何か、わかりますか? それが東海道新
幹線です。東海道新幹線が開業したのは、1964年10月1日。オリンピックの開催は同年10月10日。
まさにぎりぎりのタイミングで間に合ったのでした。

 それから約半世紀、まさか半世紀後の大会が無観客で行われることになるとは、誰にも想像で
きなかったことでしょう。まだ収束していませんが、この2年にわたるパンデミックは、今後、
世界中の人々の考え方、ひいてはライフスタイルに大きな影響を与えていくことになるでしょう。

 

 さて話を戻します。先ほど、私たちの思考は時代や生まれた国や、使っている言語によって大
きな影響を受けていると言いました。では、その影響からのがれられないまでも、それを意識
下におくことはできるのでしょうか。実は、それが歴史を勉強したり、外国語を勉強したりす
ることの意義なのです。

 歴史を勉強することで、私たちは、例えば過去の日本の人々の考え方や価値観が今とずいぶん
違っているということを知ります。そしてさらに歴史を学んでいくと、その考え方や価値観は、
当時の時代や社会に大きな影響を受けているということを理解します。実は、それが今、この時
代に生きている自分も、何らかの影響を、自分をとりまく時代や環境から受けているのではない
かと考えるきっかけになるのです。

 同じように外国語を学ぶことで、私たちは初めて日本語を客観的に見ることができ、その特徴
を知ることにもなります。私たちは、言語なしに考えることはできません。そうすると、ある言
語に固有の特徴は、その言語を使って思考する場合に、私たちは何らかの影響を受けているので
はないかと考えるきっかけになるのです。

 

2学期も1つ1つの授業を大切に、広くいろんな知識や考え方を知ることで、自分の思考がより
自由にそして柔軟になるよう心掛けてください。それは、多様な価値観で構成されるこれからの
世界で、皆さんの大いなる助けとなるでしょう。

 

 それではこれで第2学期始業式の私の話を終わります。ありがとうございました。

※本日の始業式は、Zoomとkeynoteを使って、リモートで実施しています。

 

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