校長ブログ

2017年12月13日

「さよなら、田中さん」

  

 

秋が足早に過ぎ去り、冬の到来が実感として感じられるようになりました。
今年の秋は、個人的にたくさんの良書と出会い、まさに実り多い秋でした。
良書との出会いは、人生をほんとに豊かにしてくれます。

 

今日は、その中から1冊ご紹介します。
タイトルは、『さよなら、田中さん』。表紙イラストは、ぱっと見て気づか
れる人も多いかと思いますが、西原理恵子さんです。
この小説の主人公は、小学校6年生の田中花実ちゃん。母子家庭で経済的には
恵まれていないけれど、底抜けに明るいお母さんと毎日をたくましく生き抜い
ています。
その日々の営みを、おもしろおかしく、そして最後には、ほろっと涙させる作
者の筆致がすばらしいのです。5編の作品が収められているのですが、ひきこま
れるように、あっという間に読んでしまいました。
そして出張へでかける電車の中では、途中、笑いをこらえるのに苦労しました。
驚くことに作者鈴木るりかさんは、なんと中学2年生とのこと。しかもこの5編
の作品のうち、2編は小学生の時に書いたものらしい。
恐るべき中学生が出てきたものです。今後の彼女の作品が楽しみです。
福力