校長ブログ

2017年07月22日

カタカナ英語①

最近、海外に駐在する日本人の方と話していて、日本人の英語力を落としている原因の
1つが、「カタカナ」ではないかという興味深い指摘を受けました。
どういうことか、簡単に説明します。
日本では、英語をはじめとする外国語を日本語に取りいれる際に、カタカナを使います。
これは例えば文字が漢字しかない国と比べると、大変便利です。しかし一方で、これが本
来の発音とは大きく異なるにもかかわらず、広く使われるようになると、やがてその発音
が固定化し、日本では立派な一般名詞となります。
結果、日本人がそのカタカナ発音を海外でも使おうとして、「あれ、通じない」となる、
ということです。これと全く同じ指摘を、先日、ある教育系の新聞で読みました。(私教
育新聞第54号 「カタカナ英語改革の提案」 2017.7.14)

その記事の中で、著者のデイビット・セイン氏は、これまでの日本式のカタカナ表記では
なく、「実際の発音に即したカタカナ英語」を作ることを提唱されていました。例えば、
「ロシア」ではなく「ラシャ」、「ベルギー」ではなく「ベゥジャン」、「マクドナルド」
ではなく「マダーナ」という風に。
つまりカタカナ英語が、日本人が英語を話す際に障害になっているのなら、そのカタカナ
を、できるだけ本来の正しい発音に近づけるべきだと言うのです。
同時にセイン氏は、江戸時代末期のジョン万次郎のカタカナ英語を絶賛しています。彼は
まさにセイン氏の言わんとすることを実践していたからです。彼が書いた英語辞書では、
「ウォーター」は「わら」、「サンデー」は「さんれぃ」となっているそうです。
この稿、次回に続きます。
福力