校長ブログ

2018年02月16日

冤罪のち次官③

拘留期間は延長を含めて20日間。この日数の間に、検事の言われるままに自分の供述
を変えてしまう人は少なくありません。村木さんも、当初、担当の弁護士に次のよう
に言われたそうです。

「残念だが、取り調べは検事の土俵。プロとアマチュアが同じリングに上がるようなも
ので、弁護士というセコンドもいなければ、裁判官というレフェリーもいない。勝つの
は難しいが、負けないようにしよう」(時代の証言者3 読売新聞1月27日付)と。

これは私たちが日頃持っている認識とは、随分かけ離れたもののような気がするのは、
私だけでしょうか。「勝つのは難しい」ということは、少なくとも知っておいた方がい
いように思いました。
さて、では村木氏が虚偽の供述に追い込まれず、絶対不利な土俵で最後まで闘い続ける
ことができた要因は何だったのでしょうか。村木氏自身は、その要因として次の5つを
挙げています。

①好奇心が強い。それ故、拘置所を興味深く観察することができ、気を紛らわせること
 ができた。(所持金で下着を注文すると、ユニクロの製品が来たらしい)
②考えても仕方がないことは脇に置き、今できること、しなければならないことからす
 る習慣を身につけていたこと。
③本好きだったので、拘置所内で気分転換が上手にできた。ちなみに半年近くに及んだ
 拘置所生活で、約150冊の本を読まれたとのこと。
④拘置所内の麦飯が意外と体に合い、食べること寝ることが十分にできたこと。
⑤自分を信じて応援してくれた家族の存在。

 

華奢な体つきの村木氏ですが、自分の精神的なコントロールには、随分と長けておられる
のではないでしょうか。そしてこの5つの要因、拘置所内に当てはまるだけではなく、人
生で自分を見失わないための要因とも言えそうです。
福力