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青雲・凌雲(校長ブログ)

2学期 終業式

2020年12月25日

本日、2学期終業式を行いました。終業式に生徒のみなさんにお話した式辞をアップいたします。

 

みなさん、おはようございます。

元号が平成から令和に変わって2年目。西暦では、切りの良い2020年もまもなく終わろうとしています。

 年が改まってしばらくは、今年がまさかこんな年になるとは、誰も予想していなかったと思います。校地移転を無事終えて、新学年のはじまりを迎えようとしたまさにその時、緊急事態宣言が出ました。皆さん、その日付を覚えているでしょうか。4月7日のことです。またその日は、中学1年生・高校1年生の入学式の日でもありました。人が密集することを避けるために、分散形式でしかも生徒のみという異例の入学式でした。今年のことなのに、もはや遠い昔の話のような気がします。そしてそれから2カ月を超える臨時休校が続きました。

 ClassiやGoogle Classroomを通じて配布された毎日の課題。みなさんの日々の様子は、ネットを介した学年の先生とのやりとりから垣間見ることができました。1学期の終業式でも言いましたが、多くの人が「はやく学校に行きたい」と書き込んでいました。

 やっと学校が通常通りの再開ができるようになったのが、6月15日。それから約半年が経ちました。今のところ、学校において大きな感染の広がりを見ることはありません。これは日頃から検温、手洗い、うがい、そしてマスクの着用を徹底した皆さんの生活習慣のおかげだと思います。自分のためとはいうものの、学校という集団でルールを守った毎日を送った皆さんに、感謝します。

 ただ、ウィルスの感染は止まっていません。むしろ冬を迎え、気温が下がるとともに、その感染は拡大の一途をたどっています。このデータを見てください。グーグルはAIを使って、感染状況の予測を行い、そのデータをネット上に公開しているのですが、その予測によると、今後約1カ月に予想される新規陽性者数は117,052人。来月1月中旬には1日あたりの陽性者数が全国で5,000人を超える予想となっています。同時期の東京都は1日あたりの陽性者の人数が1,000人超。大阪府は年末年始、毎日300~400人前後の陽性者が続くという予想になっています。あくまで予測なのですが、1カ月前の同じグーグルの予測は、むしろ現実の陽性者数を下回っているほどでした。

 今年の年末年始は、不要不急の外出を避け、特に人混みを避けて行動するように努めてください。外から帰った時は、まずしっかりと手洗いすること。特に高校3年生、中学3年生は、年明けに大事な試験が控えています。できるだけ家で過ごすよう心がけてください。

 さて、歴史を遡れば、14世紀のペスト、20世紀のスペイン風邪と、人類は何度もウィルスの脅威にさらされてきました。特にペストでは、アジアと欧州の人口の4分の1にも及ぶ人が亡くなったと言われています。中世では、その原因は黒魔術だとか神の怒りだと信じられていました。目には見えないウィルスの存在に、人類は無知だったのです。

 しかし今回のウィルスに関しては、その発生からわずか2週間後に病原が特定されています。またウィルスのタンパク質の構造が明確になるとともに、ワクチンや治療薬の

開発も急ピッチで進められています。最近、ウィルスが変異したというニュースが英国から伝わっていますが、これも新型コロナウィルスがRNA型であるゆえの変異で、専門家にとってはおそらく予想の範囲内のことです。

 つまり、多くの罹患者を出しながらではあるものの、遠からずこの疫病が克服されることは疑う余地がありません。科学、なかんずく医学は発達し、私たちは、中世の時ほど疫病に対して弱くはないからです。

 しかし私たちは、将来の歴史の1ページになるであろうまさにその瞬間に今、生きています。教科書でなら数行で終わるセンテンスも、時間にすれば数年。暗いトンネルの中にいる私たちには、このトンネルがどこまで続くのかわからない、そこに不安の根があります。2学期の始業式では、このような不安、そして感染予防のためのさまざまな制限、それはマスクを着用しなければならなかったり、家にいる時間が長くなったりという制限ですが、そのようなさまざまな制限が人間の心や精神にあたえるマイナス面と、それに対処する具体的な方法をお話しました。簡単に言えば、誰もが軽い「うつ状態」にあるということ、そしてそれに対処するには、不安を無理にかくさず、誰かと共有する、ということでした。

 『サピエンス全史』の著者で有名な歴史家のユヴァル・ノア・ハラリさんは、「真の敵はウィルスではなく、人間の心に宿る悪、つまり憎しみ・無知・強欲」だと言っています。そして「私たちは心に宿る善、つまり共感・英知・利他で対処すべきだ」と。

 他者の苦しみや不安を共感し、デマや流言に踊らされることなく科学的データに基づいて判断し、自分のことだけを考えるのではなく、全体を見渡すような俯瞰的な視点をもって行動する年末年始を送ってください。私たちは、今、暗いトンネルの中にいますが、遠からずトンネルの先に明かりは見えてきます。それまでは、今の生活様式を続けてください。それでは、これで第2学期終業式にあたっての私の挨拶を終わります。ありがとうございました。

 

福力

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