校長ブログ

2018年06月28日

AI vs 教科書が読めない子どもたち②

大阪北部に発生した震度6弱の地震。特に北摂に大きな被害をもたらしました。一日も早い
常態への回復をお祈り申し上げます。

さて、前回から少し日数が空いてしまいましたが、『AI vs 教科書が読めない子どもたち』
について、ご紹介を再開したいと思います。
著者の新井紀子教授は、実はあるプロジェクトで世間に名が知られています。その名は、
「ロボットは東大に入れるか」、略称「東ロボくん」プロジェクト。この名前を聞いたこと
がある人は多いのではないでしょうか。
2011年にスタートしたこのプロジェクト。では、その「東ロボくん」、今はどこまで「かしこく」
なっているのでしょうか。
著者によると、2016年のセンター模試での成績は、5教科8科目950点満点中、525点。偏差
値は57.1になっているそうです。この成績は、23大学30学部の国公立大学で合格可能性80%、
さらに私立大学では、512大学1343学部で、同じく合格可能性80%以上というものです。ちな
みにこの私立大学には、MARCHや関関同立の学部も含まれています。
さらにさらに、数学と世界史という科目に限定されていますが、「東ロボくん」は、記述式の模試
(東大入試実践模試・東大入試プレ)にも挑戦して、数学では6問中4問を完答、偏差値は76.2、世
界史は、600字の小論文を書くテストでしたが、配点21点中9点を獲得、偏差値は61.8でした。私た
ちが目を離している隙に、ここまで「東ロボくん」は、「かしこく」なっていたのです!
しかし、こんなに「かしこく」なっているのに、著者の新井教授は、次のように本の冒頭で断言する
のです。

「AIが神になる?」・・・・・・・・「なりません」
「AIが人類を滅ぼす?」・・・・・・「滅ぼしません」
「シンギュラリティが到来する?」・・「到来しません」

なぜ新井教授は、自信をもってそう断言できるのでしょうか?続きは次回に。
福力