校長ブログ

2018年10月19日

Google②

前回に続いて再びGoogleの話題です。
昨日の朝日新聞(2018.10.18朝刊)に、グーグル社内で密かに進行している「ドラゴン
フライ」プロジェクトのことが取りあげられていました。
この「ドラゴンフライ」とは、ずばり中国向けの検索エンジン開発のプロジェクトです。
グーグルは、ご存じのように2010年、中国での検索事業から撤退しました。
中国では、検索で使う言葉が一部、厳しく制限されていて、自由な検索を行うことができ
ないから、というのがその理由でした。その結果、現在の中国では、グーグルを検索エン
ジンとして使用することは事実上不可能になっています。その代わりに百度(バイドウ)
等がメジャーな検索エンジンとなっているのです。(※この検索エンジンで、例えば
「天安門事件」と打っても、正確な内容のページに到達することはできないようです。)
この中国政府の海外ネットワークへのアクセス制限をGreat fire Wallなどと呼びます。現
代版「万里の長城」といったところでしょうか。
しかし、14億ともいわれる中国市場から閉め出されるのは、やはりグーグルには痛かった
のでしょう。「中国政府の求めに沿って「人権」「ノーベル賞」といった検索語を禁じる
検索エンジン」(同記事)を開発して、再度、中国市場に参入しようというプロジェクト
が秘密裏に進められていたのです。
グーグルはこれまでの「言論の自由」という原則を捨てて、中国市場への再参入を目指す
のでしょうか。もしそうなれば、これまでにない大きな方向転換となります。
福力