校長ブログ

2020年12月17日

ブラック霞ヶ関②

実は、今回のブログのタイトル「ブラック霞ヶ関」は、最近出版された
新書のタイトルです。その新書の帯に曰く、07:00仕事開始 27:20退庁。
先日、著者の千正康裕氏が文化放送のラジオに出演され、その実態を語
っておられました。(Podcast 大竹まことの大竹メインディッシュ 
2020.12.09)
午前7時開始は、まあちょっと早いけれど、私たちにもない話ではないの
ですが、27時は午前3時ということなのだそうです。電車はもちろんあり
ません。そこで夜中に帰宅する官僚を待つタクシーが、省庁のまわりに
停車しているとか。
「働き方改革」の先頭に立たなければならない中央官庁が、なぜこんな
ことになっているのでしょうか。ちなみに「働き方改革」では、残業時
間を月45時間を上限とすることが法律で定められたはずですが、著者の
千正さんによると、この法律は、国家公務員には適用されないそうです。

 

疑問に戻りましょう。なぜこれほどまでに遅くまで働くことになってい
るのでしょう。千正さんが1つの例を、番組の中で挙げておられました。
それが国会での野党の質問に対する対応です。官僚は、どんな質問をす
るのかを国会議員の先生から、前日の夜になって初めて知らされるそう
です。そこで役所に帰って、その質問に対する答えを作成する。質問が
多岐にわたると、もちろんその文書の完成は、夜中になる、というわけ
です。そして翌朝、午前7時から大臣に対して答弁の際のレクチャーを
する。他の国でも官僚は同じように大臣が答弁する答えを用意するらし
いのですが、前の日の夜に質問内容が知らされるのは日本だけだそうで
す。(インドは1週間も前に知らされるとか・・・)

こんな働き方が恒常的に続いた結果、前回のブログに挙げた自己都合退
職が増加してきているということなのです。最近は、教員という職業も
「ブラック」と認識されがちで、教員志望の大学生が減ってきていると
聞きます。私たちにとっても他人事とは思えない話です。
福力