校長ブログ

2021年06月25日

高校入試の異変

 

前回は今年実施された大学入学共通テストをとりあげましたが、今回は高校入試
についての話題です。上に挙げたのは、今月15日の毎日新聞の夕刊記事。2021年度
の公立高校入試において、131校中40校で定員割れとなったことを報じています。
全体の3割近い公立高校で定員割れが起こっている状態です。
不足人数も2013年度は、公立高校全体で142人だったものが、今年は2,411人と急増
しています。この定員割れ急増の背景にあるのが、2011年に始まったいわゆる「橋
下改革」。大阪府独自に私立高校の授業料無償化が、一定所得以下の世帯を対象に
実施されました。その結果、中3生の高校選択が流動化し、私学へシフトしたとい
うことなのです。2011年度と今年を比べると、公立高校の生徒数は13,000人減り、
私立高校は6,500人増えています。
さらにこの定員割れの学校を大阪府立学校条例が直撃します。この条例によると、
3年連続定員割れとなった学校は、将来的に統廃合の対象となることが明記されて
いるからです。
この記事では、あまり私立高校の実態には触れられていませんが、実は私立高校で
も全96校のうち、46校で定員割れが起こっています。この数字を見ると、むしろ私立
の方が定員割れの割合は高いとも言えます。
教育の場に「競争原理」がとりいれられた結果、結局、公立でも私立でも二極化が起
こっているというのが、今の高校入試の実態なのかも知れません。
福力