校長ブログ

2017年05月18日

Splendid Essay

最近なにかと話題の読売新聞ですが、16日の編集手帳は秀逸でした。
話題は9.11テロの翌月に行われたG.W.ブッシュ大統領のヤンキース
スタジアムでの始球式のこぼれ話でした。

ヤンキースの花形選手、D.ジーターが大統領に尋ねたそうです。
「正規のプレートから投げますか? それともマウンドを降りて、
 捕手に近い場所から投げますか」と。
防弾チョッキを着ていて投げにくいことを理由に、大統領は近くか
ら投げると答えたそうですが、それに対してジーターが、
「ブーイングされますよ」と忠告したらしい。
驚いた大統領は、このテロに発した戦争のさなかに、大統領の私に
対して?と聞くと、ジーターは、こう答えたといいます。
「それがニューヨークなんです」と。
結局、大統領はジーターの忠告に従い、正規のプレートから投げた
といいます。この話はワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード
が書いた話ら
いのですが、編集手帳の最後一文が痛烈です。

「世間の視線に対する畏怖の念と、羞恥心とーその二つが米大統領
の胸に健在だった頃の、遠い昔話である。」

「トランプ」というワードを一切使わずに、これほど強烈な批判の
文章がかけるのかと感心させられました。
福力